2018年を振り返る

普段はこういった、一年を振り返るような記録を残すことはない。ただ、今年は区切りをつけたい理由があるので書く。

2018年は長かった。一言で言えば、仕事に追われた一年だった。2017年に技術者として行き詰まりを感じて長期の休暇を取り、ひょんなことから、それまで無縁だったデータ分析業界に入ることになった。ただし、データサイエンティストとしてではない。会社唯一のソフトウェアエンジニアとして、データ分析用の新規プロダクトを開発するためだった。

元々、独自サービスの立ち上げはいつか挑んでみたいことではあった。また、個人事業主ができる範囲には(少なくとも私の能力では)限界があると感じていたので、会社員に戻るという不自由さを差し引いても、これからの時間を新規事業立ち上げに投資するのは悪くないという判断でもあった。

ただ、ある程度覚悟はしていたものの、なかなか環境としては大変だった。まず、ソフトウェアエンジニアが一人もいない職場は初めてだった。フリーランスでも確かに一人だが、それとはわけが違う。仕事上の判断をするためのキーパーソンが数人の役員レベルしかおらず、非技術者かつ普段の事業で時間が取れない。これがシステム開発を生業とする会社なら、たとえ現場の技術者ではなくとも、システムやプロダクトに関するざっくりした肌感覚を持っていることが多いのだが、弊社はそうではなく、システム開発に関してはかなり経験が少ない会社だった。プログラミングをする人間が多いと聞いていたので、その点は誤算だった。

入社して待っていたのは、オフショア開発のRailsアプリ、それからReact+Flask(Python)という2つのプロトタイプだった。しかし私からすれば、それは「コンセプトなしの実装」というプロダクト開発におけるアンチパターンだった。巷のデータ分析用ソフトウェアを真似ても、そんなものは売れない。だからコンセプトを決めて、要件定義をしたい。それなのに、社内でのコミュニケーションは(多忙などの理由で)ほぼ皆無であり、たまにある機会も、システム開発の基礎的な前提を伝えている間に消費され、肝心の「中身」が曖昧なまま時間が過ぎていった。

とはいえ、私もWebプログラマとしては経験が浅かったので、まずはRailsのソースを読み、PythonもReactも勉強しながら技術スタックを決定していく必要がある。特にフロントエンドは必要な知識が多すぎたので、やることはいくらでもあるので退屈はしなかった。それにしてもゴールがなかなか見えずに苦しかったが……。

問題は、人員が増えないにもかかわらず、弊社の戦略上2018年に一定の成果を出すことが求められていたこと。人員補充はずっと計画にはあったものの、全く増えない。必要な機能もコンセプトも技術も固まらない状態で思いついたのは、「人員がいつ来ても、機能がいつ決まっても、コンセプトがいつ決まってもなるべくダメージを下げる」ということ。

ここまで書いたところで、時間がないのでいったんあげます。自分の作戦がなんだったのか、というのは年明けすぐに続きを書こうと思う。みなさま、よいお年を。