「人に頼む技術」を読んでいたら

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別に書籍紹介のブログを目指しているわけじゃないですが…実体験も含めてこの本の意義を感じた、という話です。

この本はまだ読んでいる途中ですが、前半では、ものごとを頼まれている側は決して嫌なことばかりではない、という話が展開されています。わたしたちがものを頼む時の気まずさとは裏腹に、頼まれる方は喜びを感じるものだ、と。もちろん、頼まれることが常に幸せというわけではないですけど。

そうして少しずつ読み進めていたんですが、今の仕事上、自分はぜんぜん他人に仕事を振っていないなあ、ということを上司に指摘されて気づきました。細かい理由を考えれば現在の状況になった経緯というのはそれなりにあるわけですけれど、それでも具体的に周囲に助けを求めていたわけでもないのです。ご多分に漏れず、わたしも頼みごとをするのが非常に苦手です。

それにしても無自覚、無意識でやっていたなあ、と振り返って理由を探してたんですが、どうやら直接の原因は「もう長いこと、仕事で明示的に誰かに助けてもらえた記憶がない」らしいな、と思います。元々の性格もありますが、特に、直近では助けを求めたにもかかわらずほぼ無視を決め込まれたというのもあります。書いていて、なんて悲しい話なんだ、という気もしますが…

人員的な問題もあります。人が足りない!と訴えて「じゃあ追加します」という話になるかどうかがまず未知数。追加人員がちゃんと力になってくれる(これはずいぶん曖昧な言い方ですが、単純に技術力がある、とかいう話でもないので)かどうかがさらに未知数。そうか、他人と仕事をする上での成功体験が少なすぎるんですね、きっと。これは外部要因、内部要因両方あるとは思います。職種的にも、実装レイヤーに近い仕事ほど、コミュニケーション能力だけではどうしようもないわけです(コミュニケーション能力があるとは言っていません)。SIer的な文脈だと、クオリティはともかく力技で動かすという手を取ることがありますけど、それはそれで現場はたくさんの(あまり経験のない)方々を統制する必要があるわけで、これはこれで地獄。

なんか悲しい話しか出てこない。

だから、上司に「あなたは抱え込みすぎなんだよ、ちゃんとピンチの具合がわかれば追加でベテランを出せるかも」みたいな話をされると、まず「ほんまかいな」と疑ってしまうんですよね。恵まれすぎている。そう感じるほどまでに、わたしの心は荒んでしまっているんでしょうか。

本題に戻ろう。人にものごとを頼むにしても、それなりの準備が必要になるわけで、そのコストとはつい比較してしまうわけですが、この書籍にはどうやらそのコツが書いてそうですね。個人的にタイムリーな内容になったので、ひきつづき楽しみにページをめくっていこうと思います。