よい技術者リーダーとよい部下であること

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先日のことで引き続き考えていたテーマがあって、今まで読んできた書籍には何か書いてあるかな、と思って再度手を取りました。

この書籍には、タイトル通り、IT技術者がマネジメントに関わっていく際の心構えが段階的に書いてあります。先日のことで言われた内容は、ここには入ってないのかな、と。実は、ありました。でも全然覚えていませんでした。その内容とは、「よい部下であること」です。

自分がほとんど無意識に仮定していたのは、マネジメントの仕事をする場合や考える場合に、ほとんど、自分は管理する側だったわけで、部下をどうやって指導するのか、プロジェクトを進めていくのか、などが中心でした。ところが、わたしにも上司がいるわけで、プロジェクトリーダーとしては上司への接し方も考える必要があるわけです。この視点がかなり不足していたように思います。

今までの経験でも、上司や、実質上「自分自身を管理している人」の存在はあったわけですが、人間なので千差万別、コミュニケーションの方法はそれぞれ異なります。それでも思い出すと、新卒で一番最初にわたしをマネジメントしてくれた上司以外は、ほとんどわたしの仕事の詳細に深入りしてきませんでした。理由は簡単で、わたしがフリーランスだったり、もしくはほぼ技術者が他にいない状況だったからです。つまり、責任がわたしまでである程度明確に決まってしまっていて、上司はわたしの「お客様」だったわけです。そういう場合は仕事の方法に関して指摘が入ったりすることは稀です。「お金払ってるんだから、ちゃんとやってね」とまさに「業務委託」されるわけなので。逆に言えば、新卒の時は右も左もわからない状態だったので、自分が指導を受けるのは当たり前のことです。

今回は、大きなプロジェクトを回しつつしかも上司がそれをさらに管理しているという状況で、ちゃんとわたしのマネジメント能力を指導してくれる上司がいたわけで、気がついたわけです。ありがたい話です。

上記の書籍には、「対立をなんとか手なずけられる上司」と「対立を避けて通りたがる上司」というテーマで具体例を交えて書かれているセクションがあります。

ただ、「わざとらしい仲の良さ」という状況もあり得ます。

たとえ意見が対立してもなんとか取りまとめられる比較的安定した環境を作り出すほうが、意見の相違などまったくないふりをするのより、はるかにましです。

そのセクションから引用してみました。めちゃくちゃ心当たりがありますね…。特に今の上司はその意味でもたいへんすごい方で、その下に入れた自分はラッキーだなと感じていたところですが、これを読んでそれが補強されました。プロジェクトマネジメントをちゃんと教えられる上司って、どれだけいるんでしょう?わたしは引き続き学べる部分をがんばっていければな、と思います。