「人に頼む技術」をだいぶ読んだ

ironoir.hatenablog.com

まだ読んでいるのか、と言われそうですが、まだ読んでいます。大部分を読んでみて、そして少し具体的なことなどと絡めて思うところなどを。

前も書いた気がしますが、ソフトウェアエンジニアなんて、他人と協調するのが苦手な人間の方が大多数に決まっている、などとあえて暴言を吐いてみます。わたしなども例に漏れず。技術を自己顕示の手段にしようとしてしまうわけですね。もうすこし他のものを使えばいいものを、よりによってプログラミング周辺技術とかに興味を持ってしまったばっかりに、何かと恥の多い人生を送ってきました(急に太宰)。

さて、そんな私も歳を取り、ようやく考え方が変わってきたようには思っていたものの、最後に突破できないいくつかの壁がありました。そのひとつが役割分担の話。特に、自分が抱えている作業を自分の都合(それは実力不足を含みます)で他人に明け渡すことへの抵抗感。だからこそ、今回の「人に頼む技術」は噛み締めるようにゆっくり読んでいるのかもしれません。

こういうハウツー本は正直なところ、なんだか思っていた感じの内容を与えてくれないことが多い気がしていました。あまりにも単純化されすぎていたり一般化が過度なせいで誰にでも当てはまるけど毒にも薬にもならない内容だったりするか、書いている本人のエゴが強すぎたり独自の経験をただ語っているだけでこちらが活かせる部分が見当たらなかったり。その意味では、この本はずいぶんと珍しい読後感(まだ読み切っていませんが)です。つまり、普通に役に立ちそうです。

人に頼む時の具体的な方法が書いてあるんですが、妙に刺さります。個人に向かって直接頼むこと、そして助けてもらうと嬉しいと表明すること、相手にとって妥当な量の助けを求めること、そして最後に求めていたのと違う助けが来ても、それを拒まないこと。とにかく、徹底的に「助けを求められる側」の視点に立って、どのようにすれば助ける側が助けやすいか、ということがわかりやすく書いてあります。

これだけでもめちゃめちゃありがたいんですが、さらに「良くない頼み方」に関しても書いてあります。個人的にはあまりにも身に覚えがありすぎて震えたよ実際。書き写してみよう。「やたらと謝る」「言い訳をする」「その頼み事は些細なものだとアピールする」「借りがあることを思い出させる」…やばくないですか、このラインナップ。本当に普段、やってしまっています。しかも、自分の気まずさを打ち消すために。反対に自分がされたときには少しサムい気持ちになることも知っているはずなのに、自分の中の羞恥心が耐えられないわけですね。今はどうしても他人にものを急に頼む立場なので、さっそく上記のコツ、特に「よくない頼み方をしない」ということでがんばりました。

あともう少し、噛み締めながら読みます。